古典芸能へようこそ

歌舞伎、能・狂言、文楽などの世界に魅了されて20年。 「敷居が高い」と避けられがちの古典芸能の楽しみ方を少しでも分かりやすくお伝えできればと思います。

お手軽に歌舞伎を楽しむ-「シネマ歌舞伎」-

シネマ歌舞伎」というのは、歌舞伎の興行を取り仕切っている松竹が、舞台の様子を撮影したものを映画として系列の映画館を中心に全国で定期的に上映している試みです。

 

一般に歌舞伎の興行は、ほとんどが歌舞伎座新橋演舞場国立劇場など劇場の数が多い東京で行われているのが現状です。

次いで大阪松竹座南座を擁する関西、そして名古屋や福岡で年に1回というペースで上演されています。

東京に比べれば、関西や名古屋、福岡での歌舞伎公演は、天と地ほど公演回数の差がありますが、それも地方巡業に比べれば、まだましです。

 

なぜなら、関西、名古屋、福岡では、1か月間の公演がありますが、地方巡業の場合、ほとんどが1日、2日程度で次の巡業地へ移動してしまうからです。

なので、地方にお住いの歌舞伎ファンにとっては、年に一度、それも限られた日にしか近場で歌舞伎を見ることができないことになります。

また基本的には東京の歌舞伎座での公演が中心になりますので、地方巡業に参加する歌舞伎役者は、襲名披露でない限り、役者の数もネームバリューも、ちょっと「格下」感が否めません。

 

しかし、地方から毎月はるばる東京の歌舞伎座まで足を運ぶのは大変です。

そもそも歌舞伎の公演チケット自体が、結構いい値段です。

東京からの距離次第では、日帰りが無理な場合もあるでしょうから、交通費・宿泊費・チケット代を合わせると、芝居を見に行くだけのことが、ちょっとした旅行になってしまいます。

 

 

「歌舞伎は日本が誇る伝統芸能の一つ」と言われますが、このような現状では、なかなかすそ野が広がらないのも無理はありません。

 

そこで、既存の歌舞伎ファンのみならず、新規ファンの開拓にも一役買うべく登場したのが「シネマ歌舞伎」なのです。

 

www.shochiku.co.jp

 

実際の舞台公演をHDカメラで撮影し、映画館の大スクリーンで観劇する。

撮影という手法を使っていますから、役者さんの顔のアップなど、生の舞台を見ていても分からないところまで見ることができるというのも、売りの一つです。

 

チケット料金も、一般で2,100円、学生・小人で1,500円と、普通の映画よりはちょっと高いですが、実際の歌舞伎公演を見に行くよりは、はるかにお安く見ることができます。

 

現在すでに第26弾まで作られており、「月イチ歌舞伎」という形で、毎月いろんな作品が月替わりで上映されています。

今月はこちらの作品。

youtu.be

夏らしい怪談物の作品「怪談牡丹灯籠」。

作品の詳細については、またおいおいご紹介するとしましょう。

 

ただ、このシネマ歌舞伎、一つ欠点があって、

「上映期間が短い」

今回の作品も、20日(土)から26日(金)までと、一週間しか上映されません。

また1日の上映回数も、ほぼ午前中に集中しており、夕方はまったく上映されません。

 

これでは、より多くの人(特に昼間は仕事のサラリーマン)が歌舞伎に親しむ機会は、ほとんどないと言っていいでしょう。

 

「歌舞伎なんて、年寄しか見ないだろう」と思っているのか。

しかし、本当にそんな考えなら、いつまでたっても歌舞伎ファンのすそ野は広がらないと思うのですが。

 

このあたりのクレームは、当然松竹にも届いているはずなのですが、どうなんでしょうねえ・・・